Wednesday, December 29, 2004

さらば

この一週間は、いつあっても最低な一週間だったけど、ちょうどクリスマスに重なると、耐え難い。
昔、がきの時にロスの日本人町で働いていた和菓子屋の会長さんが他界しました。この会長さん、うちの社長のお母様で、和菓子屋で働いていた人を自分の子供のように大事にしていた。ま、そこで働いてた人たちは、「おばさん」の恩の受け取り方はそれぞれだったけど、僕は感謝していたのだ。

ちょうどそのころ、うちの両親が仲が悪く、「家」 いえ にいても「家うち」の雰囲気は薄かった。そこよりも、和菓子屋の皆さんと、おばさんが作ってくれたご飯がよっぽど美味しかった。そこで毎晩九時まで働いて、終わったらおばさんを連れて帰って、僕は帰ったらもう十時過ぎで、ちょっと勉強して寝れば、自分の「うち」のまずい空気をあまり吸わずに済んだ。

今年の夏、父の葬式に出たときにびっくりしたのは、おばさんが来なかったこと。母の葬式に出てくれたというのに、父の葬式には絶対出ると思ったから、聞いて見たら、「最近調子が悪い」ということだったので、家まで会いに行った。やはり、ちょっと体は弱っていたのだが、ちゃんと話せて、握手して、ギュッと抱きしめることもできた。ささいな話しかしなかった。そしてただの十分か十五分だけだった。でも今思うと、それでもよかった。それが、おばさんとの最後のひと時でした。

さて、こんな僕にとって重大な人物が亡くなったと聞いたら、どうなったと思う?熱を出した。マジで。そしてただの熱じゃねぇべぇ。四十度も出した。結局インフルエンザで、抗生物質呑めば治せた。

が、熱が下がって、頭がちょっと冴えてきて、おばさんのことをどういう風に考えた、どういう風に思い出しても、事実は変わらない。

おばさんがもう帰ってこない。

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